キョロキョロVというm5StickVにサーボを2つ取り付けた2軸のマシンを設計して色々動かして遊んでいます。今回は、第一号で見えてきたメカの問題を解決するため再設計をしてみました。以下は今までの記事のまとめです。
目次
問題点と解決策
サーボ初期化問題
サーボはマイコン電源投入時、PWMが出ていないため角度0を取ろうとします。キョロキョロV1号はサーボの可動域<メカ的な可動域であったため、毎回サーボホーンに無理な力がかかっていました。 それを改善すべく約±90deg動くように設計変更を行いました。
#キョロキョロV 2号、一応組めました
— パスコンパス (@pscmps) October 3, 2019
可動域を広くした所と縦回転部の軸を両持ちにした所が一番大きな変更点です
組み方とデータはそのうちブログ等で公開予定です #adventurer3 pic.twitter.com/99UktzWjgI
ポイントは足の切り欠きの部分です。構造上、何も対策をしないと左右首振りのサーボが干渉する位置にあります。
上記図はちょうど真ん中での断面図です。斜線部が切られた構造部を表しています。少しわかりづらいでしょうか。一番右の図の様に90deg前の倒れた時に上の(この状態では「右の」ですが)サーボが足の切り欠き部に収まる様にしています。反対側も同様です。また、回路にサーボ用の電源のON/OFFスイッチを設けることで、PWMの信号が出てからサーボを動くようにすることもできる様にしました。回路図は次の次の項に載せています。
基板の固定場所がない問題
基板と言っても一号ではサーボを接続していただけですが、固定場所を全く考慮しておらず、プラプラしていました。そのためか、下の動画の様に時々接触不良で挙動が怪しかったのです。ついでにNT名古屋でdominoさん(dominoTECH@無能 (@dominodaosi106) | Twitter )からおすすめいただいたはんだごても買ってみました*1。
なぜハンダごて買おうかと思ったかというと、実は #キョロキョロV も人間味センサもおそらくハンダが下手すぎて動作が怪しい時があったからです
— パスコンパス (@pscmps) October 6, 2019
一例で言うとケーブルをぐねぐねすると動画の様に不安定になります pic.twitter.com/FO0oaiUwog
下記図の中心部の円形のものが基板です。プラねじで本体に固定します。これで基板の固定場所問題も解決しました。
スタンドアロンで動けない問題
サーボの電源は、ACアダプタからUSBケーブルで取っていました。当初は歩かせる予定はなかったためこれで特に問題はなかったのですが、図らずも歩ける様になったのでケーブルなしで動ける様にしたいと欲が出てきました。 そこで3端子レギュレータ*2でLiPoバッテリの12Vから5Vを作る様に回路を設計しました。ついでにm5StickVのバッテリ以外にも外部からにも電源供給できる様にしてみました。(USBのGNDはどちらも表示を省略しています。)
ON(SW1) | OFF(SW1) | |
---|---|---|
ON(SW2) | mini B→m5StickV, Servo | mini B→m5stickV LiPo→Servo |
OFF(SW2) | LiPo→m5StickV mini B→Servo | LiPo→m5StickV, Servo |
上の表は電源供給元を表しています。基本的にバッテリ接続とmini Bでの接続は両立させない思想です。バッテリ駆動の時は(SW1, SW2)=(OFF, OFF)にすれば動きます。SW2→SW1の順でONにすれば最初にサーボに電力が供給されず、初期角度の動作を発生させない様にできます。
以下が実装図です。一部実装に伴って位置を調整していますがだいたいはこんな感じです。
サーボ片持ち問題
キョロキョロV一号はサーボが片持ちでした、軽ければ片持ちでもよいのですが、だいぶ大きさも大きくなってきてしまったので安全を見て軸を両持ちにすることにしました。
真後ろから見た時の断面図です。サーボの反対側にアルミのパイプ*3を入れて支えにしています。本来であればベアリング等入れるとより良いですが、金属と樹脂とのしゅう動ですし今回はそこまではいいかなと省略しました。また、脚部の方ではイモネジで軸を固定する用の穴も開けてみましたが、はめあいで良い感じになったので使っていません。
首のサーボのねじが取り付けられない問題
左右に動かす方の首のパーツはキョロキョロV一号では圧入のみで、ねじ止めができない構造でした。下の図の様にねじ部を避けた肉盗みをした構造とし、ねじを取り付けられる様にしました。
組み立て
- 必要なパーツをザっと並べてみました。前回と変わっているのは軸位でしょうか。また、上下回転のサーボは金属ギヤの少しいいもの*4に変えました。
- 脚とサーボを用意し、差し込みます。
- サーボホーンをボディにねじ止めします*5。
- 正面からボディを見るとこんな感じです。
- サーボホーンの反対側にφ6のアルミパイプを挿します*6。
- ベースと脚を4ヶ所M3のねじで固定します。
- 首のパーツとサーボをねじ止めします。
- サーボとボディを付属のねじで固定します。
- m5StickVをM3のねじで固定します。
- プラネジで前述の回路を固定したら完成です。黒い大きいパーツは放熱板です。
3Dデータ
こちらに公開しています。末尾に「ver2」とついたパーツが今回の設計変更を反映をしたパーツです。
まとめ
今回はキョロキョロVの問題点と改善点と組み立てに関して書きました。パイプを切る必要等あり、少しだけハードルが上がってしまった気もしますが3Dプリンタとパイプカッタが使える状況にあれば簡単に組み立てられます。 次はV-Traning等もやってみていたので、その辺りを記事にしてみようと思います。
読んでくださりありがとうございました。
*1:NT名古屋の記事はこちらです。 yoichi-41.hatenablog.com
*2:三端子レギュレーター 5V1.5A L7805CV−DG: 半導体 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
*3:図中で金色なのは真鍮にしようと思っていた名残です。手持ちがアルミしかなかっただけで深い意味はありません。
*4:TowerPro サーボ MG996R: パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
*5:サーボの種類によっては穴の位置が合いづらい可能性があります
*6:アルミパイプはホームセンタで売っています。パイプカッタという工具を使うと簡単に切れます。