これまで基板の作り方を工夫してイラストを描く、萌基板の作り方を解説する記事を書いてきました。 今回は遂にPCBGOGOさんの方で始まったフルカラーUV印刷の基板を作りましたのでそちらの方法について書きます。
こちらの記事はPCBGOGGOさんから協賛いただいております。 お時間ありましたら下のリンクから様子を見ていただけると記事が役に立ったことになるので大変ありがたいです。
作り方
今まではどのレイヤーをどの様な形状にするかを慎重に検討する必要がありましたが、今回はその必要がありません。今までで一番楽だと思います。 基板データはkicadにて用意し、何らかのソフト(私はclip studioを使いました)で用意した印刷したいデータを一緒に添付します。
kicadでPCBGOGGOさんのアドインを使っている場合、画像添付前のファイルが圧縮してサイトへ転送されますので、少しだけ手間ですが一度それをDLしてから解凍し、png等の形式で画像を追加してまた圧縮してから転送すると良いと思います。
画像としての推奨条件は下記になります。
300dpi以上の解像度
ランド等、銅箔が露出する部分の印刷は透過にする
上の方の理由は解像度が粗すぎるとジャギーが目立ち品質が悪くなるためです。下の方は銅箔の上に印刷が載らない様にするためです。こちらについては事前の反映が難しい場合はpcbgogoさんの方でデータ修正対応いただけると思います。その場合、納期が伸びることがありますので、対応可能な場合は実施しておくと良いです。確認しましたが、追加料金はかからないそうです。
印刷データを入稿したことのある方は気になるかもしれませんが、位置合わせ用のトンボ等は不要とのことでした。印刷したい位置とサイズを申請フォームのコメントに入力すればOKです。 ここに、質感を書いておくと反映してもらえます。普通に頼むとざらざらのマットな質感ですが、つるつるのぷっくりシール(?)の様なコーティングをしてもらうことも可能です。光沢仕上げと書けばそちらにしてもらえると思います。
意図的にフラッシュをたいて質感の違いが出る様に写真を撮りました。
通常のマットな質感だとこのような感じです。
光沢仕上げだとこの様になります。トップコーティングがされている様な状態です。
また、UV印刷の注意事項の案内が出ていましたのでそちらのリンクも貼ります。
回路
今回は、フルカラーUV印刷の基板なのでフルカラーLEDを光らせることにしました。 ただ光らせても面白くないので、ロウソクICでユラユラ光らせるのと出力を切り替えようとしたのですが 秋月電子でロウソクICの取り扱いが終わっている様(ディスコン?)でした。 そこで思いついたのがメロディICの出力をLEDに繋ぐ案でした。 ブレッドボードで試してみたところうまくいったので、スイッチでこれらを切り替えられる様にしました。
メロディICにLED繋いだらローソクICみたいになるかなと思って試してみたら暗くなる時間は短いものの一応点滅した
— パスコンパス (@pscmps) March 10, 2024
かっこうの曲のIC pic.twitter.com/b5HdV9iRrV
回路図はこんな感じでシンプルです。届いてから気が付きましたが、ポテンショの抵抗値が0になった時でもLEDの電流制限抵抗が0にならない様に直列に抵抗を入れておけたら良かったです。
フットプリントはカソードコモンで秋月電子で見つけた部品とピン配置が一致しているものがあったのでそれを選びましたが、
届いてから穴径が小さかったことに気がつき調整がいることに気がつきました。配線時、何だか細い線しか繋げられないなぁと思った時に気が付くべきでした。
まぁ初回なので致命的なミスがなければOK位の気持ちでいきましょう。
また、今回UV印刷する面にはできるだけ凹凸がない方が良いかと思い、表面の中央部を避けた構成としました。
また、裏にQRコードを記載して、この記事に飛んでこれるようにしました。こちらの面はシルク印刷です。
実は回路は全然専門でないのでおそらく配線上あまり良くないところが多々あると思います。 勉強するのにおすすめの本やサイトがあったらコメントいただけたら幸いです。 逆にこれ位の回路だったらとりあえずミスらず繋がっていれば動くという例として初心者の方を勇気づけられたらと思い残します。 また、基板を配布する予定なのでその方が現物で目視で追わずにこちらの画像で追えるよう残す意味もあります。
部品リスト
全て秋月電子で買えます。
スライドスイッチ 1回路2接点 基板用 SS-12D00G3
半固定ボリューム 1kΩ [102] 3386K-EY5-102TR
RGBフルカラーLED 5mm OSTA5131A カソードコモン OSTA5131A-R/PG/B\
電池ボックス 単3×2本 リード線・フタ・スイッチ付 SBH-321-3AS150\
カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗) 1/4W1kΩ CF25J1KB\
三端子メロディIC かっこう・ワルツ UM66T32L UM66T32LK-T92-K
販売コードコピペ用です↓
115707
106107
102476
111523
125102
107055
フルカラーLEDはニッパーで切ったりして足をいい感じにとんがらせないと挿せません。すみません。 バージョン2を作ることがあったら改善します。 メロディICは別な曲でもOKです。
料金
気になるのは制作料金ではないでしょうか。同じUVプリントであれば通常仕上げと光沢仕上げは料金は変わりません。 基板の仕様によって値段は変わるため、実際にはお見積りをお願いします。 参考に多色レジストとの場合で比較した表をいただいたのでそちらを載せます。
今回の私の作っていただいた基板はサンプル扱いで値段は算出不可とのことでした。
動作確認
一旦まずはオーソドックスなポテンショ側の動作確認をしてみました。 メロディICを応用例等は後々追記していこうかと思います。
Xの動画↓
PCBGOGOさん協賛のフルカラーUV印刷の基板のフルカラーLEDで3bitをカウントしている(?)動画です
— パスコンパス (@pscmps) April 5, 2024
ポテンショでの明るさ調整もできます pic.twitter.com/B780768Wkf
YouTube short↓
まとめ
今までに比べると画像を用意して位置を指定するだけで、今までに比べるとかなりお手軽でした。 フルカラーUV印刷にかけてフルカラーLEDの基板にしましたが、 他にもフルカラー印刷を活かしたアイディアを思いついたらまた作りたいですね。
また、こちらの基板はつくろがや!2に持っていきますのでぜひご都合つく方は遊びに来ていただけましたら幸いです!
読んで下さり、ありがとうございました!
おまけ①2色レジストとの比較
実は事前に前回のデザインの基板でサンプルを作っていただいていました。 2色レジストの基板の記事に書くと話がややこしくなるためこちらの記事で比較します。
左がUV印刷の基板、右が2色レジストの基板です。
色が白っぽいのは元々のデータが淡い色使いのためです。また、少し位置がずれているように見えますが正式サービス開始前のトライ品であり、実際のずれの程度とは変わっている可能性があります。
おまけ②過去の萌基板の記事
こちらは過去の記事です。
おまけ③ NANANAさんの記事
NANANAさんにこちらの記事のリンクを追加いただいたので お礼ではないですがリンクを追加しました。
位置合わせのためにSVGで出力する方法等も説明されています。