パスコンパスの日記

何か色々作るのが好きです

【ポエム】みんなでものづくり沼に沈みたい話+オンラインイベントに出る宣伝

 前回、前々回のポエムが想像以上に反響がありました。ありがとうございます。就活のエントリーシートを友達に見てもらった時、「感情が感じられない」と一蹴されたことのあったのですが、あの頃からだいぶ成長できたのかもしれません。 おそらく「何で手書きで書かなければいけないのか意味のわからないと思いながら嫌々書いたエントリーシート」と「書きたくてしょうがなくなって溢れた文章」とでは熱量が違うのでしょう。

前回↓(全部ポエム)

yoichi-41.hatenablog.com

前々回↓(途中からポエム)

yoichi-41.hatenablog.com

 今回は「人を巻き込んで一緒に沼に沈みたい」という話を書きます。私の場合、趣味のものづくりと展示会への思いが強すぎて主にそのことになってしまいがちですが、全人類少なからず似た感情はもっているのでは?とも思っています。比較的一般的な表現になってきていると思いますが、念のため記載すると「沼に沈む」というのは比喩で「特定のジャンルにどっぷりつかる、ハマる様子」を表現しています。

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電子工作沼にハマるパスコンパス

 私は「人にものを勧めること」が割と好きです。そして振り返ってみると比較的勧めることが成功しているケースもありました。伝える技術を何かで学んだ訳ではなく、ただ全力で「これがおもしろいよ!!」と話したり一緒に遊んだりしていたらありがたいことに自然と周りの方も共感してくれた形でした。もちろん人によっては別に刺さらないこともあります。せっかくなのでどういう時に刺さってどんな時にはうまくいかないのか、ちょっと分析してみようと思います。

目次

成功例:Wii Uを3人に買わせてしまった話

 大学にいた頃の話です。私はロボットを作るか、ゲームをするか位の選択肢しかない一般的な工学系の学生だったので、褒められたことではありませんがよく研究室のプロジェクタを借りて友達の家で夜通しゲームで遊んだりしていました。当時Wii U任天堂の最新のゲーム機でしたが、いまいちピンとくるソフトがなく、最新ソフトよりはバーチャルコンソールで昔のソフトをDLして交代しながら遊ぶことが多かったです。

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イカのゲームをプレイする様子

 そんなある時、某イカのゲームが発売されます。「何だこれはめちゃくちゃ面白いじゃないか、みんなでやりたい!!」当時そう思った私は買ってすぐのスプラトゥーンを持って友達の家に泊まりに行きます。まだ黎明期でネット越しのプレイヤーも勝手がわからないため、わちゃわちゃしていました。そのため、いい感じで初心者の友達も私も勝てるタイミングがあり大いに盛り上がりました。数週間後には結果として6人で遊んでいたうち3人が新たにWii Uスプラトゥーンを買ってネット越しに一緒に遊んでいました。そのうち2人は元々別なFPSゲームが好きだったこともあったと思います。
 これだけ書くと私がジャイアンの様に無理矢理友達に買わせたのではないかと思う方もいるかもしれませんが、別に当時は「買え、買え」と直接的な強い言葉は言った覚えがないです。ただただ一緒に楽しく遊んでいてずぶずぶと自分含めスプラトゥーン沼にハマっていきました。 この時に成功した理由は主に3つあると思っています。

  • 友達も元々ゲームが好きだった
  • 私も友達もめちゃくちゃ楽しんでいた
  • ゲームもソフトも買い切りでお金がいくらかかるか見えていた

失敗例:電子工作同好会メンバーがガッツリ減ってしまった話

 次は失敗例です。失敗と言っても個人的には大失敗ではなく「人によって物事の優先度は違うよなぁ」と実感した体験でした。会社に入社してすぐ、仲良くなった会社の同期の友達とカレー屋で「大学のロボ研みたいなサークル作りたいよね」という話をしていました。彼もまた在学中、別大学でロボ研に所属していたのです。そこから新人研修の途中、技術系の新人の仲間に声をかけながら社内同好会設立の手順を踏んで研修中の7月に同好会を立ち上げました。当時、勢いだけで作っていたのであまり深いことは考えていなかったのですが、結果として設立の際には20人弱ものメンバーがいました。活動も手探りで、部品を買い足し買い足し私が調べながら授業の様に活動を進めていました。
 ところが新人研修が終わった辺りからどんどん参加率が下がっていきます。理由は直接はあまり聞いていませんが、おそらく下記の流れの人が多かったと思います。新人研修中の集大成として1つのプロトタイプを作る研修があり、「それに活かせそう」と興味を持ってくれた同期の仲間が多かったのですが、実際に部署に配属されてそこから離れた内容の仕事になるとあまり魅力を感じなくなった…という流れです。電子工作に対する優先度は人によって違うのです。

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人それぞれ優先度が違う(違ってよい)

 これは良い悪いではなくて、個人の価値観なので何も問題はないと考えています。もちろん当時は寂しかったですが…。とはいえ、その中にも電子工作が刺さったメンバーが私と上述の友達を含めて4人いて、今でも一緒に展示会に出たり楽しく活動しています。お礼は時々伝えていますが、心から一緒に活動してくれて嬉しいしありがたいと思っています。興味深いのが、その内2人は大学時代特にものづくりサークルに在籍していたわけではなかったことです。同好会はきっかけにはしてもらえたと思うのですが、2人ともあれよあれよという間に趣味で専門分野外の領域まで手を広げています。あんまり詳細に書くとあれなので少しぼかしました。

ここから、私が思ったことはこんな感じです。

  • 人によって優先順位は違って、そこに良し悪しはない
  • 自分で本当にやりたいと思うかは過去にやっていたかどうかとは関係ない
  • どれ位お金がかかるか見えないとそれが止める理由になりうる

 もちろん工学系の大学に進んでいた時点でそういったことに興味があるのは間違いないですが、自分の時間を使って趣味で「手を動かす」というのは意外とやらない人が多い印象です。趣味の工作、個人的にはめちゃくちゃ楽しいんですが、世の中楽しいことは沢山ありますし、そこはその人の選択ですので私が何か言うことはできません。仮に言ったとしてもその人を無理矢理どうこうすることはできないでしょう。私も仮に「電子工作やめろ」と誰かに言われても無視します。

 ここで冒頭の話に少し繋がってきます。無理矢理にやってもらうのは無理だし良くないと思うのですが、「"潜在的に"電子工作やものづくりにハマりうる方」というのは実はたくさんいると考えているのです。「やったことないから…」「難しそうだから」と言ってやる前から可能性を狭めてしまうのはもったいないと強く感じます。実はちょっとやってみたら小さい頃積み木やお絵かきが好きだった原体験を思い出して「ものづくり楽しい!!」となるケースって発生しませんか?私自身がものづくりが好きすぎてバイアスがかかっているのは何となく理解はしているんですが、でも「絶対100%そんなことは起こり得ない!」とは言い切れないんじゃないでしょうか。もちろんやってみて刺さらない人もいると思います。別にそれはそれで問題ありません。でも仲間になれる可能性がある人を埋もれたままにするより、何かきっかけにもし一緒に楽しむことができたら楽しいのでは?と妄想してしまうのです。

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そういえば絵描くの好きだったなと思いだした人の図

成功例:3Dプリンタの輪の話

 もう一つ成功例を書きます。 ゴリゴリチューニングされるタイプの3Dプリンタ使いの方からすると鼻で笑われてしまうと思うのですが、私はFLASHFORGEの adventurer3という機種の3Dプリンタをかれこれ3年位愛用しています。柔らかい樹脂等は出力不可で改造等もしづらいですが、ツールとして3Dプリンタを使いたい方にとってはかなり良い選択肢だと感じています。特に買ったばかりの時は嬉しすぎて3Dプリンタの作ったサンプルをカバンに入れていつでも見せられる様にしていました。機構キーホルダシリーズもそれがきっかけで思いつきました。

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6台の3Dプリンタを紹介して調子に乗る

 そんなことを続けていると友達や知り合いの方から3Dプリンタ購入の相談を持ちかけられます。私としては自分が使ったことがある機種しか説明できないので初めて買ったadventurer3の良い点、悪い点を説明します。その後、対面で相談してくれた方はほぼadventurer3系列の3Dプリンタを購入してくれています。トラブル時に直接相談できるのが大きなメリットに感じるのかもしれないですね。今まで直接相談を受けておすすめして実際に購入まで至ったのは6人です。6人となるともしかしたら営業職もできるんでは調子に乗ってしまいそうになりますが、本職の方に白い目で見られると思うのでやめます。

  • 普段からアピールしていると、覚えててくれて話を振ってもらえることがある
  • 割と身近な人の口コミの力は侮れない

 やっぱり目の前の人がそれを使っていたり、自分の目で見たり体験したりすることって説得力が段違いだと思います。電子工作、話だけ聞くと難しそう…と敬遠してしまう人もいざ手を動かしてみてブロックプログラミングをやってみたら印象が180deg変わるなんてこともざらにあるのではないでしょうか。後はこの3Dプリンタの場合は相談してくる人はだいたいもう買う気なので話が早いというのもあると思います。

まとめ

 簡潔に言うと今回の内容はこんな感じです。

  • 興味があったりハマる素質がある人の背中を押して一緒に沼に沈みたい
  • 仮にハマらなかくても悪いといったことは一切ない

 なぜ一緒に沼、特にものづくり沼に沈みたいかというと、単純に楽しいからですね。楽しさを共有したい気持ちが強いです。やれることが増えた時の楽しさ、アイディアが形になった時の楽しさ、人からフィードバックもらえた時の楽しさ等々…挙げるとキリがありません。一人で突っ走らないで色んな人を巻き込めたらなぁと思います。もしくは突っ走っても同じ速度で走ってくれる仲間を見つけるかでしょうか。割と同好部のメンバーや大学の頃から今も一緒にロボットを作っている友達とは一緒に走っている感覚かもしれません。本当にありがたいです。

 ポエムの投稿が続いています。ブログタイトルを「パスコンパスのポエム」に改名した方が良いのかもしれない。技術的な記事もそろそろ何か書きたいです。長文でしたが読んでくださり、ありがとうございました。

宣伝

 最後に宣伝です。今まで生でオンラインで話すイベントには出たことがなかったのですが、この度ものづくり沼に一緒に沈んでくれる人を探しに(?)ロボット座談会というイベントに出ることにしてみました。2021/10/10(日)の 19:00より開始です。
 「オタクの早語りになる」or「緊張してあまり話せない」の2択になりそうな予感もしていますが、何とか楽しく話せればと思っています。アーカイブも残る様なのでお時間ある方は見てみてください。主催は尾崎太祐さんとまつはちさんです。

尾崎 太祐 / ロボット劇作家🤖 (@ozata92) | Twitter

まつはし(まつはち) (@matsuhachi0f) | Twitter

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