パスコンパスの日記

何か色々作るのが好きです

【めかとろろ】メカトロ工作マンガをなぜ急に描き始めたか

 昨年NT富山で唐突に「めかとろろ」というメカトロ工作のマンガを出し、この前1話が無事完結しました。また、NT加賀(新春)でも2話を展示していました。 この記事ではメカトロ工作の作品を作っていた私が、なぜ急にマンガを描き始めたかについて書きます。 マンガを描いてみたいけどどうやったらいいかわからない方にも、キャラの解像度のあげ方等もしかしたら少しお役に立てるかもしれません。

元々めちゃくちゃ描きたかった

 工学部に進む人の半数以上はアニメやマンガが好きなのではないでしょうか?少なくとも私の身の回りではその様に感じられました。教室の隅で肩身の狭かった高校時代と比べ、大学ではそういった趣味について伸び伸びと話せて楽しかったです。別な記事*1でも書きましたが、私は昔から何かを作ることが好きで絵を描くことも好きでした。アニメやマンガが好きで絵を描くことが好きなら自分で描きたくなるのは必然です。大学の頃は特にいわゆる「萌え4コマ」と言われるようなゆるい雰囲気の4コマのアニメが好きでした。今思うと色々と大変な時期もあったので癒しを求めていたのかもしれません。一時期ひだまりスケッチを狂ったように繰り返し見続けて1~4期までを4~5周はしたと思います。

 実際に大学にいた頃もタイトルは決まっていないものの、まんがタイムきらら系の様なゆるい雰囲気の電子工作4コマを描きたいとキャラクター設定等はぼんやり考えていました。その頃までにマンガを描いた経験はほぼありませんでした。強いて言うなら小学生低学年位の頃に下書きも無しで描いた作品「ティーポットーさん」というティーカップのお父さんが主人公の謎のマンガを描いた位でした。描き始めた時にティーポットとティーカップの違いをあまり認識していなかった様です。細かい内容は覚えていませんが、ゴルフボールの「ゴルフぼーや」が月まで吹っ飛ばされてタイムスリップして闇落ちすることだけは覚えています。ただひょんなことから大学の頃にちょっとしたパロディのマンガを2ページ描く機会があり、クリップスタジオで描いてマンガを描く流れだけ体験する機会がありました。

大学の友達が遊びに来た

 それから何年か経ち、社会人になりました。社会人になってからもふとしたタイミングで電子工作の4コマは描きたいと思いたち、数年おきにキャラ設定等を考えていました。舞台を大学のサークルにする案、素子を擬人化する案等キャラ設定や1ページだけのマンガを描いては挫折して、また数年が経ちました。そんな2021年のコロナが少し落ち着いていた頃、大学時代の友達が泊りで遊びに来ます。社会人になってからアニメの話をすることが減っていたので久しぶりに語り合います。また、その友人と私とどちらもボードゲームが好きなのですが、とあるボードゲームを遊んでいた際にそのゲームのHPにキャラ設定が細かく記載されていることにテンションが上がります。こちらです。

www.dominagames.com

 そんな日の夜、ふとメカトロ工作の4コマを描きたかったことを思い出しその友達とアニメでありそうな展開のネタで話が盛り上がります。 話しているうちに「最初にクラスで工作をしていて浮いているBちゃんに、周りの目が気になるAちゃんが「そんなんじゃ友達ができないよ。なんでそんなことをやっているの?」と伝えると、きょとんとした顔でBちゃんが「好きだからだよ」と言われてAちゃんがハッとするシーン」が浮かびました。そして二人ともこれは絶対に 教室の西日が差している放課後のシーン だと解釈が一致します*2。善は急げ、その日の朝にはそのイメージからキャラクタの絵を描いてみました。名前もこのタイミングで決めました。こちらは何度か修正した後のもので一部伏字にもしていますがこんな感じで絵を描きました。

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 その後も3~4人のオタク友達に話を聞いてもらってどういうエピソードがよさそうか、その友人がどんなキャラが好きか等話を聞きながら良いと思ったところを取り入れて解像度を上げていきました。数年前にはネタが思いつかなかった「めかとろろ」ですが、このキャラの解像度を上げる工程に追加して作品のネタについても解像度を上げる方法を思いつきます。ここ数年で作ったメカトロ工作の作品をそのまま「めかとろろ」の中に登場させればリアルな解説もできれば、実際に困ったところを取り上げることもできます。
 他に決めた方針としては、マンガを描くことに関しては完全にど素人なので「展開はベタベタの王道で行くこと」を決めました。私が作った作品については私にしか描けないですし、絵がうまい人は世の中星の数ほどいるので上を見てもしょうがありません。自分で描くことに意味があると思います。これらのやり方はそこそこ成功している様で今のところネタ切れになる気配がなく、2022年2月20日現在2話の投稿中ですが既に5話まで文字ベースのプロットができています。

自分の経験について

 めかとろろの1話のエピソード(過去の回想)は自分の体験を基にしています。なぜ描いたのかは全く覚えていませんが、小学生低学年の頃に大真面目に描いた阿吽の仁王像の絵を友達に笑われて泣いてしまいました。それで絵を描くことはやめた訳ではありませんでしたが、見せる人は選ぶようになりました。
 めかとろろで一貫して伝えたいのは「誰かから何か言われようが関係なく、何かを作ることは楽しいので一緒にやろう」という様なことです。切り口を変えつつ2話以降もこれがベースにあると思います。自分にある要素からしかキャラの動きが想像できないので3人共結果としてメカトロ工作大好き人間になると思いますが、まぁメカトロ工作のマンガを描きたくて始めたのでとりあえずはそれでもいいかなと思います。全く自分にない要素を描ける作家の方等はすごいなぁと思います。
 ロボコンをやっていた頃は結果が出なくてへこむこともありましたが、趣味で作品を作る様になってからはあまり気にせず自分の作りたいものを作る様になりました。コンテストに応募したりもしていますが、どちらかというと〆切を設けて自分を鼓舞するためにやっています。めかとろろ1話を曲に例えるなら、サビはこの4コマになります。Twitterの反応も一番大きかったです。

 そういえばこちらの1コマ目は実はハルロックというマンガのとあるコマをリスペクトして描いています。ハルロックについて知らない方は下記のリンク先の記事を読んでいただくと概要が分かると思います。私は紙の本しか持っていませんが、電子書籍等もある様です。

makezine.jp

まとめ

 話数がたまってきたら実際の作り方の記事と合わせて技術書的な同人誌を作りたいと考えています。一回ちゃんとした印刷の形で本にしてみたいです。 正直本に私の作品の作り方を書いて「自分も作りたい」と思う方がいるかは疑問ですが、流用したり応用してもらって何かに生かせる可能性はあるのではないかと思います。
 ぜひ趣味でマンガ描いてみませんか?大変か大変じゃないかというと、何度か挫折しているので大変ですが楽しいです。まずはハードルを下げて出すことを重視して勢いで始めるのが良いと思います。私も背景とかかなり手抜きです。読んで下さりありがとうございました。

www.pixiv.net

↑Pixivでも少し遅れて投稿しています。↓1話完結した時のエンドカード的な絵。

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*1:この記事です。yoichi-41.hatenablog.com

*2:お互い何年もアニメを見続けているので謎の幻覚というか暗黙の文脈の理解がありました。真っ白いワンピースでひまわり畑に麦わら帽子の女の子等?