パスコンパスの日記

何か色々作るのが好きです

【ポエム】半生を振り返りながら、ものづくりに関して思うことを書く

 普段は「技術的な記事」や「展示会の作品紹介等の記事」を主に書いているこのブログですが、たまには自分の考えを整理する意味も込めて半生をふり返りながら「ものづくりに関して思うこと」というポエムを投稿してみようと思います。きっかけはちょうどTwitterやブログを始めて2年たったことでした。
 年など色々バレそうですが、特に隠していた訳ではないのでそのまま書きます。また、だいぶ長いので挿絵を何枚か書いてみました。

目次

幼少期 〜幼稚園 無敵の工作タイム

 洗濯バサミでロボットを作ったり絵を描いたり紙飛行機を作ったり物心ついた頃から何か作ることが好きな子だったと思います。作った物を親に見せては褒めてもらって嬉し恥ずかしかったおぼろげな記憶があります。こんな感じのやつ↓。やはり作った物に対してプラスのリアクションをもらえるとモチベーションに繋がるなと展示会に出る様になって最近痛感しています(後述します)。

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誰しもが作る(?)洗濯ばさみロボ

 電子工作好きな人は幼少期一回はやっているのではないかと勝手に思うのですが、「ヘアピンをコンセントに突っ込む実績」も解除しています。当時めちゃくちゃ泣いた様です。
 また、LEGOも大好きでよく遊んでいました。最初は動かない物を作っていたと思うのですが、途中で1ポッチだけ噛ませることで可動部が作れることに気がつき動かせる作品も作っていた様な…?あれは小学生になってからかもしれません。  後はこの絵本が好きでした。

https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=585

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ロボットのくにSOSという絵本が好きだった

電力が切れてしまったロボットの国のロボットが博士に助けを求めに来る話なのですが、ストーリは元より博士の家やロボのデザインに惹かれていました。実家から持ってきていて未だに手元にあります。

小学校 低学年 図工が好きで挫折を知る

 図工の授業が大好きでした。たぶん入学前から好きで作っていたこともあり、相対的に良い評価をいただいて夏休みの自由工作で賞をいただいたりもしましたが、同時に手伝ってくれた親の介入があってこその結果で自分だけの力ではないともやもやした気持ちも抱えていたことを数十年ぶりに思い出しました。とはいえ、昔から調子に乗りやすいタイプだったので褒められたら「僕は天才なのではないか」と調子に乗りがちでした。ここまでは褒めてもらうことばかりで恐れを知らずに生きてきましたが、人生順風満帆とは行きません。
 ある日、大真面目に描いた絵を友達に笑われます。漫画家の絵を見慣れている友達からすれば小学3年生の絵は下手で滑稽に見えたのでしょう。また、もっと絵が上手いクラスメイトの存在を知ったりと世界が広がるにつれて「あれ?僕は大したことないのではないか」と気づき始めます。これはどんな分野でもあるんじゃないかなと思います。

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絵を笑われて自分が天才でないことに気づくパスコンパスの図

 まぁでも好きなことは好きなので暫くすればその友達に言われたことは関係なくまた再開します。ただ私の場合は見せる相手は事前に慎重に選ぶ様になりました。本当にすごい人は言われたことをバネにしてよりクオリティを上げていくのかもしれませんがそこまでいかなくてもやめない位好きでいられれば個人的には十分成功だと思います。
 そういえばアイデンティティが欲しくて奇をてらう様になったのもこの辺りからだったかもしれません。皆が見ているTVを見なかったり、好きな音楽がちょっとマイナー寄りのバンドだったり色々こじらせ始めます。

小学校 中盤~後半 明和電機を知りロボット大会に出る

 ここで特筆すべきイベントが起きます。なぜか突然、祖母から明和電機の本をもらいます。

https://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100001216.html

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衝撃を受けた明和電機の社長の生き方と作品達

この時、衝撃を受けました。「この人は大人なのに何て楽しそうなことをしているんだろう」と。その後パッチーナを巻尺で作ったり、ノックマンを買ってもらったりDVDを見たりひとしきりハマります。その後ずっと継続的に追っていた訳ではありませんでしたが私の人生に影響を与えたことは間違いありません。「何だかよく分からないものを作りたい欲」の種が撒かれたのだと思います。
 また、近所の科学館で開催されていたピンポン玉を運ぶロボット競技会に友達と出ました(下の図のロボ)。開館日に練習に行ったり、親にも協力してもらって家にフィールドを再現する程頑張ったのですが、当日ビンビンに張りすぎたキャタピラが切れて泣く泣く初戦敗退というとても悲しい結果でした。泣いてしまった。この時の友達とは今でも時々連絡を取っています。 また、未来の自分に宛てた手紙には「ロボットを作る人になっていますか?」と書いていました。

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キットを2つ買ってアームを2本にしたロボ

中学時代 ものづくり暗黒期

 美術や技術の時間は好きでしたが、部活とゲームばかりしていてそれ以外のものづくりに関して特筆する様なことがないです。ちなみに部活は陸上部でした。

高校時代 美術は甘くなかった

 普通科の高校へ行き、相変わらずゲームと部活ばかりをして過ごしていました。特に「うごくメモ帳」というパラパラ漫画を作れるDSiのゲームにハマってシュールな作品を作っていました。これもいつかどこかで触れます。はてなアカウントを作ったのは実はその時だったりします。後は3年生の時には文化祭の外装のリーダになり、中世風の外装でダンボールで鎧の騎士を作った記憶があります。1人張り切って当日朝みんな早く来るものだと思って連絡したら誰も来なくて熱量の差にシュンとしたのを思い出しました。なぜだかさっきから切ないエピソードが多い。

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文化祭で空回りするパスコンパス

 部活とゲームばかりしていて勉強から逃げたくなった2年生の夏、「美術方面であれば成績が悪くてもいけるのでは?」という甘々な考えで美大の予備校に体験入学します。そして圧倒的な力の差に絶望します。「ここの影はパリッとしてるけど、こっちはしっとりしてるでしょ?」と言われ、わかったふりをしてうなづいたことを鮮明に覚えています。この後、何やかんや頑張って大学の工学部に入学します。そういえばこの頃はぼんやりと物理の先生になるのも良いかもなー等と考えていました。

大学時代 ロボ研に入る

 ロボット研究会に入り主に機械の設計をしていました。思えば色々な大会に出ました。かわさきロボコンというロボット相撲の大会では当日に左足が動かなくなり、最初のNHK大学ロボコンでは前日にオブジェクトを引きずってはいけないことを運営から指摘されてうまく動けず、次の年は練習でうまく動いていた展開機構が本番働かず自動機の実行プログラムの種類を誤ってしまい、マウスロボットという迷路を走破する競技ではゴールの座標値を誤ってゴールに辿り着けず、といった様に基本的に失敗してばかりでした。唯一知能ロボットコンテストでは面白い機構なのでデモをしてくれと言っていただけました。ネガティブなことばかり書いていますが、何だかんだ総合的に見れば楽しく活動していたと思います。ロボ研時代のことを詳細に書き始めると大変なことになりそうなので割愛します。

 授業の方は機械のみでなく、プログラム、電子回路等も広く浅く学ぶ学科だったので割と色々やりたい私の性に合っていたなと思います。研究室でも割とメカの設計から簡単な回路、マイコンのプログラム等色々やらせていただいて楽しかったです。 授業の中で印象に残っているのは「arduinoを使って最後に作品を作る」というものがあり、友達と協力して「あっち向いてホイマシン」を作ったことです。ケータイを漁っていたら動画が残っていたので、共同制作の友達の許可は取ってないですが、もう時効かなと思い投稿しました。

 深層心理の明和電機がここで少し目を覚ましている気がします。 見た目が完全に某キャラクタですが身内の発表向けで営利目的でもないので許して下さい。 他にもゲームを作ろうと思って2回位挫折したり、あっち向いてホイマシンの小型版を作ろうとして頓挫したりもしていました。何分大学時代はお金が無かったのであまりサークル活動以外の趣味でものづくりをしようという発想があまり湧いていなかったですね。後はバイトは家庭教師や塾講師、TA等ものを教える系のものが多かったです。この辺が後で出てくるSTEM教育への興味に繋がっているかもしれません。

社会人になってから 趣味が爆発する

 社会人になってからも「ロボ研の様な場所が欲しい」と思い、別の大学のロボ研出身の会社の同期の友達や友達と共に社内の同好会を勢いだけで入社年度に立ち上げます。本当にありがたいことに今は部に昇格して今でも活動が続いています。何だかんだ毎年、社内のロボコンを主催したりもしています。メンバーには感謝の気持ちしかありません。また、他にお金を使う趣味もないこともあり、社会人パワーにより個人で3 Dプリンタやレーザカッタ等に手を出し始めます。

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最近になってやっとメイカー3種の神器が揃った

 前述の様に学生時代は主にロボコンに向けた製作をしていました。そのため、ある程度ルールに縛られた中でものづくりをしていたのですが、メイカーイベントの見学に行く様になってその枷が外れます。特にNTイベントの自由さに惚れ込んでしまいました。「趣味で(全く役に立たない)ものを作ってこんなに楽しそうに説明してくれる!」明和電機に憧れていたあの頃の気持ちがふつふつと蘇ります。気づけば出展側に回りたいという思いが見学のたびに強くなっていきました。そしてNT名古屋2019で同好部名義で友人と共に出展を念願の果たします。その後はコロナもあり、なかなかオンサイトのイベントへの参加回数は伸びていませんがまた最近復活してきているので出られるものには出たいです。

仕事とこれからのこと

 書きそびれましたが仕事は「とあるものづくりをする家庭用マシン」のメカの設計です。それ以外の仕事や大変なことも沢山ありますが何とかやっています。最近は趣味の分野と仕事を何とか繋げられないかと言うことを考える様になってきました。上記の「仕事のマシンの客層」を「電子工作やメイカー、STEM教育の領域」に広げたいのです。そのためにはまず外堀を埋める必要があると感じています。その辺りの下心(実績作り)からものづくりイベントを開催する側になることも進めています。言葉だけで言っても説得力が弱いので先に実績を作ってしまいたい。
 ちょっとぼかして書いているのでどこまでニュアンスが伝わっているかわかりませんが、ここまで読んでいただけた方は私が営利関係なくものづくりが好きでここまで生きてきたことを感じ取っていただけるのではと思っています。人生、できるだけやりたいことを長くやっていたいので「こいつにはこれを任せておこう」とやりたいことを任せてもらえる様になるのが仕事の直近の目標です。自覚はあるのですがメンタルが豆腐で苦手なことからは逃げてしまいがちなので、好きなこととできることやるべきを重ねられる様にしていきたいです。

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2年間の作品をまとめた図

ものづくりに関して思うこと

 半生を振り返って例のごとく長文をダラダラと書いてしまいましたが、2行でまとめるとこんな感じかなと思います。

  • つくりたいもの作るのは楽しい
  • やりたいことをやりたい

 小学生から特に何も成長していない様な気がしますがここまでそれで生きてきたのでひとまず続けてみます。また、やりたいことをやるための前段階の多少大変なことであれば我慢して頑張れると思います(イベント運営のための下準備など)。会社で勢いで同好部を作るまでは、正直リーダをやれる様なタイプでは全くなかったのですが、「何かやってみたらできた」を繰り返すうちにここまで来ました。ブログを書いたり動画投稿したりTwitterや展示会で作品を発表したりといったことは、数年前の入社時の私では想像もできないことでした。この辺りのことというのは意外とやってみたらできるもので、続けるのが1番難しいと思います。続けるコツは月並みですがやはり人と繋がることだと思います。Twitterでも良いですし、身近に工作好きな方がいるととても良いです。また、できることが増えるというのはなかなか楽しいもので、自信もつきますし向いていないと思ったらやめれば良いので失うものもそんなにありません。
 もしこのブログを読んでいただいて「何かやってみようかな」というきっかけになったとても嬉しいです。

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文が長いので挿入してみた昨年の年賀状のCG(作品が隠れている)

 ものづくりってめちゃくちゃ楽しいと思うんですよね。ほんとに。誰だって小さい頃は紙に殴り書きや積み木(やLEGO)で遊んでいたはずで、成長していくにつれもっと上手い人に出会ったり私の様にバカにされたりして場合によっては恥ずかしくなってやめてしまう人もいると思うのですが、人の目を気にしてこんなに楽しいことをやめてしまうのはもったいないと心から思うのです。特に趣味でやる分には心の持ち方一つで無敵です。仕事や研究では「それ稼げるの?」「それ新規性あるの?」と常に成果を求められます。一方趣味であれば「俺が楽しいと思って好きでやってるんだから誰が文句言おうが関係ない」のです。なかなか精神的にそんなテンションになれないことももちろんありますが、本来常にそのスタンスで良いと思っています。人の趣味にケチをつける人に付き合う必要はないのです。また、仮に最初下手であっても工夫して続けるうちに「この前のこれをここで活かせるかも?」等とだんだんレベルがアップしていきます。

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元ネタは負のループですが今回は正のループの説明

画像作成:悪循環画像ジェネレータ

 後、最近強く思うことは「ものづくりのモチベーションを保つ」ためにはやはり「褒めてくれる人に見せる」のが良いです。そういった意味ではNT等の展示会は基本的にものづくりが好きな人が集まる場なので誉めてもらうには格好の場所です。正直出展することによって代替できない脳内快楽物質が出るんじゃないかと思うレベルです(個人の感想です)。何の気無しにそんな意図のツイートをしたら思ったよりもいいねをいただけて割と似た感覚を持っている方もいるのかなと思ったりしています。

 まとめがまとめの文量でなくなってきたのでこの辺りで終わります。読んでくださりありがとうございました!ただ、たぶんまたそのうちポエムを書いてしまう気がする。人に良さを伝えること、その後一緒に沼に沈むことの楽しさに関しても書きたいです。
 そういえば以前に図らずも途中からポエムになってしまった記事はこちらです。ポエムがお好きな方はどうぞ。

yoichi-41.hatenablog.com